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女性の抜け毛の原因【びまん性脱毛症】とは

女性にとって、髪は大切な存在です。大切な髪を美しく保つため、毎日のヘアケアにはとても気をつかいます。それだけに、抜け毛を見つけたときのショックは大きいのではないでしょうか。正常な抜け毛なのか、それとも異常な抜け毛なのか、気になって仕方がなくなることでしょう。そこで今回は女性の抜け毛について、原因や対策を詳しく見ていきます。

女性の抜け毛の原因

「正常な抜け毛」と「異常な抜け毛」

最初に、「正常な抜け毛」の範囲について押さえておきましょう。そもそも髪には、成長と脱毛を周期的に繰り返す性質があります。1日当たり100本程度の抜け毛は、正常なヘアサイクルの範囲内だといわれています。また、正常な抜け毛の数は季節によっても変動します。秋から冬にかけて抜け毛の数が増えることがありますが、これは夏の紫外線のダメージや頭皮が春に向けて新しい髪を準備している証拠なのです。

一方で、正常な範囲を超える「異常な抜け毛」については、原因に応じた対策が必要になります。そこで、女性の抜け毛にはどんな種類があるのか、簡単にまとめておきます。
・円形脱毛症
・びまん性脱毛症
・分娩後脱毛症
・牽引性脱毛症

円形脱毛症

まずは、円形脱毛症から見ていきます。ストレスが原因だといわれますが、医学的な根拠のない俗説です。円形脱毛症の原因は、ストレスに限りません。ウイルス感染や外傷など、様々なことをきっかけにして起きる「自己免疫反応」が、円形脱毛症の正体です。免疫機能をつかさどるリンパ球が毛根を攻撃してしまい、その結果として抜け毛が起きるのです。

なお、円形脱毛症以外の原因で起こる抜け毛は、免疫反応と関係ありません。したがって、円形脱毛症になった経験があるからといって、抜け毛になりやすい体質だということにはなりません。

びまん性脱毛症と分娩後脱毛症

びまん性脱毛症の原因は、ヘアサイクルの休止期が長期化することです。特定の部位に抜け毛が起こるのではなく、全体的な毛量が均等に減っていきます。休止期が長くなる原因は、多岐にわたります。したがって、食事や睡眠に気を付けて体調を整えることが一番の対策です。

特に睡眠は重要です。髪を育てる「成長ホルモン」は、睡眠中に分泌されるからです。睡眠をとる時間帯については、髪の成長が活発化する午後10時から午前2時の間がゴールデンタイムです。午後10時に寝るのは難しくても、日付が変わるころには布団に入っておきたいところです。

一方、分娩後脱毛症の原因は、産後に起こる女性ホルモンの分泌低下です。あくまでも一時的な症状で、産後4~6か月で元に戻ります。

びまん性脱毛症と分娩後脱毛症には、パントガールという有効な治療薬があります。臨床試験では、3か月の使用で70%の抜け毛が減少したと報告されています。副作用の報告もなく、安全に使える薬です。ただし専門医に処方してもらう必要があり、保険適応にならないので費用が高くなります。
参照 妊娠と美

牽引性脱毛症

牽引性脱毛症は、これまで挙げた症状とは少し異質です。頭皮の一部が長時間にわたり引っ張られることにより、頭皮に負担がかかって局所の抜け毛が起きるのです。対策としては、髪の分け目を時々変えてみたり、エクステを使いすぎないようにしたりすることが挙げられます。

女性の抜け毛で病院に行くならどこ?

びまん性脱毛症は病院で治療可能

たとえば20代の独身女性が、髪の量が全体的に減っていると悩んでいるのなら、びまん性脱毛症の可能性が高くなります。というのも、牽引性脱毛症なら、頭皮に負担がかかっている部分にだけ抜け毛が起こります。円形脱毛症も、抜け毛は局所的です。これに対して毛量が全体的に減っている場合は、びまん性脱毛症が疑われるのです。

びまん性脱毛症は、病院で専門医による治療を受けることができます。ただ、一口に「病院」といっても、何科を受診すればいいのか分かりにくいのも事実です。そのうえ、びまん性脱毛症の治療は保険適応にならないので、治療費も高額になりがちです。病院選びは慎重にしなければなりません。

病院選びのポイント

抜け毛を「頭皮のトラブル」と考えると、皮膚科に行くことを考えてしまいます。しかし、皮膚科のお医者さんは発毛の専門医ではありません。そこで、発毛の専門医がいる医療機関を探すことになります。ネットで検索すると、たくさんの美容外科やレディースクリニックが出てきます。

たくさんのクリニックの中から、どうやって選べばよいのでしょうか。この点について「公益社団法人日本毛髪科学協会」の電話相談で聞いてみました。すると、以下の答えが得られました。
・クリニックが実施する 無料カウンセリングを利用して、信頼できるクリニックを探す。
・女性の不安をあおるようなことを言うクリニックは避ける。
治療の限界についても詳しく説明してくれるクリニックは信頼できる。

また、大学病院にも「毛髪外来」を設けているところがあるそうです。男女問わず診てもらえるので、もし紹介状が手に入るのなら受診するとよいでしょう。

女性の抜け毛予防(積極的に摂取したい食べ物)

過度なダイエットは髪にとって天敵です。特に髪の主成分であるたんぱく質は、意識して摂取しましょう。また、たんぱく質の吸収をサポートする栄養素も欠かせません。代表的なものは、 亜鉛・銅・鉄です。

これらの栄養素を摂取するのに効果的な食材をまとめます。
・動物性たんぱく質→肉、魚、卵、乳製品
・植物性たんぱく質→大豆製品
・亜鉛→カキ、牛肉
・銅→イカ、タコ、豆類
・鉄→ひじき、のり

女性の抜け毛対策(シャンプーの選び方)

シリコンシャンプーは、抜け毛の原因になるといわれています。しかし、医学的には根拠のない俗説です。シリコンの粒子は毛穴よりも小さいため、毛穴をふさぐことはないのです。 ノンシリコンシャンプーでなくても、抜け毛対策を考えたシャンプー選びは可能です。

抜け毛対策のためのシャンプーを選ぶ際には、シリコンの有無よりも「洗浄成分の種類」に注目 しましょう。大きく分けると、次の3種類に分類できます。
・アミノ酸系
・高級アルコール系
・石けん系

洗浄成分の種類に注目すると、頭皮の状態に合わせたシャンプー選びが可能になります。
・頭皮が乾燥している、かぶれている→アミノ酸系
・頭皮のベトつきが少し気になる→高級アルコール系
・頭皮の脂っぽさに悩んでいる→石けん系

頭皮の状態に応じてシャンプーを使い分けることで、 頭皮の皮脂バランスを適切な状態に保つ ことができます。すると頭皮の健康を維持できるので、髪にも栄養がよく行き渡るようになります。頭皮に合ったシャンプーを選ぶことは、女性の抜け毛対策の一環として有効なのです。

女性の抜け毛対策(育毛剤の効果)

女性用育毛剤の効果

市販の女性用育毛剤には、大きく分けて次のような効果が認められます。
・頭皮を 保湿する効果
・頭皮の 血流を促す効果

いずれの効果も、頭皮環境を改善するためのものと考えましょう。頭皮に合ったシャンプーを選ぶのと同様に、頭皮を健康な状態にすることで、髪の成長を間接的に支援するのが目的です。医療機関で処方される薬剤のような、ヘアサイクルに直接作用する効果はありません。

「医薬部外品」と「化粧品」の育毛剤

特に「医薬部外品」「化粧品」に分類される育毛剤は、配合されている成分の育毛効果が緩やかです。頭皮環境を整えるための補助的なアイテムとして考えましょう。

たとえば、化学成分無添加を売りにした「マイナチュレ」という女性用育毛剤(医薬部外品)があります。無添加の効用についてメーカーに問い合わせたところ、「頭皮を健康に保つのに役立つと考えてください」とのことでした。無添加であることが、発毛に直接つながるわけではないそうです。

「医薬品」の育毛剤

一方「医薬品」の育毛剤には、医療機関の治療でも用いられる「ミノキシジル」という成分が配合されています。そのため「医薬部外品」「化粧品」よりも育毛効果が期待できます。もっとも健康被害を防止する観点から、医師に処方される薬よりも弱い効果に設定してあります。こちらもやはり、あくまでも補助的なアイテムとして使いましょう。

ところで、円形脱毛症の治療では「フロジン液」という薬剤が処方されます。このフロジン液の主成分である塩化カルプロニウムは、市販の育毛剤にも配合されています。だからといって、フロジン液を育毛剤代わりに使うのは避けましょう。医師の処方から外れた使い方をすべきではありません。また最新の治療ガイドラインでは、そもそも塩化カルプロニウムの育毛効果が疑問視されています。
参照 日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

女性の薄毛をカバーする髪型

女性の薄毛をカバーするための髪型としては、ロングヘアーよりもショートヘアーのほうが向いています。毛量の減少を髪の毛の長さでカバーしたくなりますが、実際は逆効果です。ロングヘアーだと、髪の重みで頭頂部が「ぺったんこ」になります。すると、毛量の減少がかえって目立ってしまうのです。

そこで、薄毛を目立たなくするにはショートヘアーを選びましょう。髪が短くなり軽量化した分、「ふわっ」とした髪型を作りやすくなります。すると髪全体のボリュームを演出することができるので、結果的に薄毛が目立たなくなります。

また、髪が軽くなることで頭皮への負担も減ります。地肌への風通しがよくなることで、頭皮環境の改善も期待できます。気分も軽やかになり、薄毛を気にすることのストレスも軽減できるでしょう。

まとめ

それでは最後に、今回ご紹介した内容をまとめます。

・毛量が全体的に減ってしまう場合、びまん性脱毛症の可能性がある
・びまん性脱毛症の原因は、ヘアサイクルのうち休止期が長くなってしまうこと
・びまん性脱毛症の予防には、睡眠や食生活など良好な生活習慣を心掛けよう
・クリニック選びには、無料カウンセリングを活用しよう
・髪の原料であるたんぱく質を積極的に摂取しよう
・頭皮に合ったシャンプーを選ぼう
・育毛剤は、頭皮環境を整えるためのものと考えよう
・薄毛をカバーする髪型はロングよりもショート

びまん性脱毛症という症状名は耳慣れませんが、女性の抜け毛の多くが該当する症状です。頭頂部全体が均等に薄くなるので、加齢による毛量の減少と区別がつきにくいところが厄介だと思います。日ごろから生活習慣に気をつかい、抜け毛になりにくいからだを作っていきましょう。