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更年期は抜け毛が増える!抜け毛の謎とこの時期の付き合い方

「近ごろ、顔がほてるし、なかなか疲れが取れないし、おまけに髪のボリュームがなくなって地肌が見えてきた。このままだと、禿げになってしまう」最近、あなたは、こんな悩みを持っていませんか。そこに中高年が共通にもつ、夫婦生活の問題、子どもの進学、仕事先の人間関係などが加わると、もうイライラが止まらず、その後にうつうつとした気分になり寝込んだりしていませんか。さらに髪を洗うと抜け毛が排水口に詰まったり、ブラッシングするとたくさん髪の毛がブラシに絡まったり、こんな現象が起きていませんか。

これが一般的にいわれている更年期です。と言いたいところですが、ちょっとまってください。更年期と更年期障害、どのような原因で、どのような症状であるのか、あなたは知っていますか。薄毛サイトや美容サイトに書かれていることを読んで、疑いもせずに鵜呑みにしていませんか。ここで一緒に、日本産科婦人科学会が定義づけている更年期の時期と更年期障害の症状をもとに、本当に薄毛と関連性があるのか、検証してみましょう。

更年期は抜け毛が増えるって本当?

最近シャンプーのあとにバサッと髪の毛が抜ける、とうとう更年期がはじまったのかなぁ・・・女性にとって髪は大切なもの、これからどうしたらいいの。こんな悩みを、あなたは抱えていませんか。

でも、 少し立ち止まって考えてみてください。本当に抜け毛の原因が更年期なのでしょうか。

もし、あなたが抜け毛の原因を更年期にしているのなら、ブログなどに書かれた「更年期になるとホルモンのバランスが崩れることが原因で、髪の毛が抜けるのです」に影響されていないか、確認してみてください。このような言葉に影響されているのであれば、ここで更年期障害を正しく理解してみてください。

実は、ほとんどの女性の抜け毛が、ストレスからくるものだといわれているからです。

更年期の期間と閉経

女性は、生まれたときに200万個の卵子のもとになる原始卵胞を卵巣にもっています。それが初潮のときには20〜30万個まで減少し、ここからほぼ決まった周期で月経がはじまります。そして月経の14日後ぐらいに排卵で、1個の成熟した卵子を卵管に送り込みます。この卵子が精子とめぐり逢い受精し、子宮まで辿り着くと妊娠が成立します。

このプロセスに大切なホルモンが、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)になります。2つのホルモンは、妊娠するために卵巣から分泌されるもので、原始卵胞がほとんどなくなる閉経時にはストップします。この前準備として血中のエストロゲンが大量に分泌されたり少量になったりします。

日本産婦人科学会は、更年期の期間を閉経の5年前から閉経の5年後までの約10年間としています。次のような症状が更年期障害で、他の病気による原因と否定されたときのものになります。いま日本の閉経の平均年齢が52.1歳といわれています。

更年期障害の主な症状

1. ほてり
2. のぼせ
3. ホットフラッシュ
4. 発汗

ホットフラッシュとは、上半身がのぼせ、ほてり、発汗する、更年期障害の代表的な症状です。例えば、急に顔が熱くなる、上半身が熱くのぼせて食事もできなくなる、冬なのに頭と顔に大汗をかく、汗が止まらないなどの症状のことです。また卵巣がん摘出後にも、ホットフラッシュが発生するそうです。

そのほかの身体の症状

1. めまい
2. 動悸
3. 胸が締めつけられる
4. 頭痛
5. 肩こり
6. 腰痛
7. 関節痛
8. 冷え
9. しびれ
10. 倦怠感

精神的な症状

1. 気分が落ち込む
2. 意欲の低下
3. イライラする
4. 情緒不安定
5. 不眠

更年期の抜け毛の原因とは

女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの低下が、薄毛に関係している医学的データはありません。つまり、男性のAGAのようなテストステロンからジヒドロテストステロンへ変換する酵素5αリダクターゼのような物質がないと考えられています。また、女性ホルモンが、女性らしい体型や柔らかい髪質に影響するといわれていますが、医学的根拠がなければ、いまのところ改善することは自己満足にすぎません。

では、なぜ更年期になると抜け毛が増えるのでしょうか。答えは、女性ホルモンの低下が卵巣の機能を終息させ、一定期間の更年期障害の症状に通常のストレスが加わることによって精神的なダメージが増強されるからだと、薄毛を専門とする皮膚科の医師たちがいっています。また過度なストレスは、自律神経を不安定にさせ頭皮の血行を悪くさせるようです。

通常のストレスとは、更年期になる45歳過ぎから55歳ぐらいまでに起こる、結婚生活が長くなった夫婦関係の問題、子どもの教育に関する問題、仕事の人間関係や過度の残業などのことです。また更年期障害で抗うつ剤などの服用が原因になるともいわれています。
参考「閉経と卵巣の老化」 京都府立産婦人科

男性にもある更年期障害と薄毛

ご存知の方もいるはずですが、男性にも女性と同じような更年期障害があるのです。症状は、女性とほぼ変わらないといわれています。原因は、精巣から分泌されるテストステロンの減少です。

日本泌尿器科学会では、 加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)と呼んでいます。原因がテストステロンの減少であることはわかっており、障害として、筋力低下、造血機能低下、認知機能低下、骨密度低下、性機能障害、メタボリックシンドローム、脂肪増加などが学会から発表されています。

しかし、テストステロンが減少することで、男性薄毛の原因となっているジヒドロテストステロンへ変換酵素5αリダクターゼの関係は、弱まるのか、それとも強まるのか、謎です。5αリダクターゼ阻害剤プロペシアで臨床試験を試みて欲しいものです。女性と男性の更年期による薄毛の原因が何か、発見できるかも知れません。

更年期の抜け毛はいつまで続く?

更年期障害は、女性の8割ぐらいが発症すると考えられています。では、その対象となる全員が薄毛になっていないことは、あたりを見渡せばわかります。少しの薄毛は、老化現象のはじまりです。つまり、更年期障害が間接的となる薄毛は、過度なストレスがなくなれば、次第に抜け毛が治まってくると考えられます。

ところが、現在、薄毛の原因としてお父さんとお母さんから受け継ぐ、遺伝子が影響していることがゲノム研究でわかってきています。染色体のEDAR遺伝子が毛髪の太さ、SHH遺伝子が毛穴を平均的に生やす、SMP4遺伝子が毛髪の伸長に関係していることがわかっています。

女性の場合、両親の染色体を受け継ぐため、どちらか一方が薄毛であると確率が高くなります。因みに男性は、母方の影響を受けるといわれています。

これらのことから更年期の薄毛は、遺伝子のリスクが高い場合、薄毛が10年以上も続く可能性があると考えられます。また遺伝子のリスクが低い場合は、更年期障害が終わり過度なストレスが減少すれば、抜け毛が治ると考えられます。つまり更年期が起きている10年以内といえるのではないでしょうか。

更年期が過ぎたら抜け毛は治るのか?

更年期の薄毛のなかで親から受け継いだ 遺伝子による抜け毛の場合は、現在の医学で解決することが不可能であると考えられています。また、薄毛の遺伝子に対する治療は、がん細胞の遺伝子変異と違い、薬剤を開発することがまずあり得ないと考えてください。
なぜなら1回の治療費が、今の何十倍にもなるからです。

更年期障害の症状に対しては、一般的に薬物療法・漢方治療・栄養療法などで治療しますが、どれも症状の緩和だけになります。つまり 加齢による卵巣機能低下は、老化現象からくるもので、根本的な治癒方法がありません。

だから女性の更年期に起きる間接的な抜け毛は、 治療することが難しいと考えられています。しかし、唯一の薄毛治療法の効果が見込まれるものとして、薄毛専門の皮膚科の医師からいわれているのがストレスの回避になります。

女性の抜け毛に対するストレス回避効果は、クリニック独自のデーターがあるといわれていますが、日本皮膚科学会での公式発表に登場していません。臨床データーは、学会で認めてもらいガイドライン化されて、はじめて科学的な立証付けになるのです。

このようなことから更年期の抜け毛を治せる治療法は、決まっていないことになります。そのため、治療方法により効果のバラツキが激しいのです。

更年期の抜け毛対策(ストレスとの付き合い方)

更年期の10年間には、女性にとってマンネリ化した夫婦関係、セックスレス、夫の浮気、子どもの進学、親の介護、仕事の人間関係など、さまざまなストレスがかかります。

夫に相談しようにも会話の少なくなった夫婦では、相談になりません。また友達に話しても、更年期が終わるまで我慢するしかないわねと、問題解決にならないアドバイスがくるかも知れません。

更年期が長期になると精神的な症状が悪化し、買い物などでストレスを発散させるため、借金地獄になる女性がいるとメンタル専門医がいっています。そこで更年期の精神障害が悪化している場合は、臨床心理士によるカウンセリングを受けることが良いと考えられています。臨床心理士は、こころのストレスの処方箋になるからです。

更年期のストレスが初期段階の場合は、散歩やジョギングなどで気分転換するのがよいといわれています。また精神的なストレスの原因が、もし夫の浮気などの場合、もやもやせずに興信所や弁護士に相談してはいかがでしょうか。安心するか、よい糸口が見つかるかも知れません。

更年期の抜け毛対策(食事とサプリ)

健康を維持するために、どこでもアドバイスをされるのが食事のバランスです。でも、これができないのが人間かも知れません。

まず1日3回食事をしていますか。肉、魚、野菜、くだもの、ご飯、お味噌汁など、普通に食べていますか。まさか、朝はコーヒーだけで食事なし、昼はインスタントやコンビニ弁当に時間が不規則、夜は9時以降の食事に大量の飲酒、これでは更年期に入る前に他の病気になりますよね。

そこで更年期によいといわれる大豆イソフラボン、高麗人参、エクオール、マカ、クラチャイダムなどを服用するっというのがよくあるパターンです。サプリメントは、食品扱いになりますが食事にはなりません。いくらビタミンが含まれているから吸収がよいと記載や広告があっても、動物実験や臨床試験をして証明したものではありません。また副作用がないといわれていても、10年間服用したときの副作用は未知数です。

食事は、まず規則正しく1日3回、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂ることです。サプリメントを2〜3ヶ月服用して、体質改善されない場合は中止することですね。あなたの体質に合わないかも知れません。

是非、不安なときは、お客様相談室に電話してください。疑問や不安を持ちながらサプリメントを飲み続ける事は無意味です。製造元も商売ですから、その上でのアドバイスをしている事を意識して、納得がいくのかどうか吟味してください。3ヶ月飲んで効果がないときは半年、半年飲んでも効果がないときは1年という様に結果的に他のサプリメントへ変えることができなくなるケースが多々あります。

更年期の抜け毛対策(漢方とホルモン療法)

まず、漢方とホルモン剤の欠点から考えてみましょう。漢方の成分は、収穫された時期、収穫された場所、収穫された季節によって成分内容に差異があるといわれています。これを製造元で調節すると漢方ではなくなります。例えば、ブドウを収穫して作るワインは、収穫する年の気候などによって味や風味が変わってきます。漢方薬でも同じことが起きます。

つぎにホルモン療法です。長期間の投与や体質によって乳がんの危険因子となることがあります。そのため処方箋が必要なホルモン剤は、厚生労働省から何回も発がん性の動物実験をさせられます。それでもホルモン剤投与中は、乳がんへの注意書きが記載されています。

つまりサプリメントの女性ホルモンは、どうなのでしょうか?製造元は、いまのところ報告がありませんとしか、答えてくれません。

乳がんは国立がんセンターのデータから、67人に1人の割合で発生すると統計上のデータが発表されています。また女性のがん発症の増える時期が、更年期障害を発症する40代からです。ホルモン療法をはじめる際は、更年期障害を専門にしている医療機関でホルモン療法をしっかり理解している産科婦人科で受けることが良いと日本産科婦人科学会が呼びかけています。

いま東洋医学の漢方は、大学病院や総合病院、クリニックなどに専門の医師がいます。

更年期に使う漢方

急性期 亜急性期 遷延期
麻黄等
葛根湯
小青竜湯
麻黄色附属細辛湯
小柴胡湯
小柴胡湯加拮梗石膏
柴胡桂枝湯
小青竜湯
竹茹温胆湯
補中益気湯
小柴胡湯加拮梗石膏
麦門冬湯
竹茹温胆湯
補中益気湯

 

 

がんの罹患順位(2014年、がんセンター資料より)

1位 2位  3位 4位 5位
女性 乳がん 大腸がん 胃がん 肺がん 子宮がん
男性 胃がん 肺がん 大腸がん 前立腺がん  肝臓がん
男女計  大腸がん 胃がん 肺がん 乳がん 前立腺がん

 

更年期の抜け毛に育毛剤は効果があるのか?

育毛剤には、医薬品、医薬部外品、化粧品の3種類があります。このうち、医薬品の扱いになっているのはリアップだけになります。これは頭皮の血行改善に効果があると臨床成績のデータが厚生労働省に認められたためです。しかし効果には個人差によるバラツキがあります。

他の育毛剤の多くは、医薬部外品と化粧品になっています。これらにはいろいろな成分が含まれていますが、主成分のグリチルリチン酸ジカリウム、センブリが頭皮を刺激していると考えられているだけです。製造元に、主成分以外の量を質問すると10分ほど待たされ、ここではわかりませんと回答されました。

リアップ以外の育毛剤は、日本人の薄毛に対する効果を証明したものがないため、使用して1〜3ヶ月で効果がない場合はやめた方が適切ではないでしょうか。

余談ですが、育毛剤でスーとする成分は、エタノールやメントールで水分を蒸発させて気分を爽快にするだけの効果になります。

まとめ

・更年期に多くの抜け毛を見つけたら、生活のなかのストレスを探しましょう
・更年期障害は、8割の女性で発症するもの、全員薄毛になるわけではありません
・女性の抜け毛にホルモンが関係している医学的な根拠がありません
・更年期の夫婦間のトラブルは、大きなストレスになります
・更年期は、生活リズムを見直し、規則正しい食生活することが大切です
・サプリメントや育毛剤の効果は個人差が激しいのと、製造元の製品知識が少ない
・漢方やホルモン療法は、専門の医療機関を受診し医師の指導に従うこと
・育毛剤は、1度試しても効果がない体質の合わない場合は中止の選択を

辛い症状、老いていく見た目の変化、人生の転換期である更年期は避けては通れません。女性ホルモンと抜け毛の関係性については明らかになっていないので、抜け毛が増えたというあなたは、沢山のストレスと戦っているのかも知れません。周囲の人へ理解、協力してもらう事が何よりの抜け毛対策になるはずです。一人で抱え込まずに、支え合って生きていく方法を考えましょう。