運動不足が薄毛の原因となる可能性について
運動と髪の毛は全く関係ないと思っていませんか?しかし日頃からの運動不足は髪の毛に悪い影響を与えてしまうため、薄毛に繋がりかねません。今回の記事ではなぜ運動不足が薄毛に繋がるのか、関連性について説明していきます。薄毛予防に効果的な運動も紹介していくため、最近抜け毛が多いけど運動不足が原因かもしれない…と思っている方は参考にしてみて下さい。
薄毛と運動は直接的に関係があるのか?
男性の薄毛に多いのがAGAとも呼ばれる男性型脱毛症です。AGAでは次のような3つの症状が見られます。
前頭部から薄くなる
頭頂部から薄くなる
前頭部と頭頂部の両方から薄くなる
AGAは男性ホルモンが原因となっており、運動不足が直接の原因ではありません。しかしAGAの症状を進ませる原因の一つに頭皮の血行不良があるために注意が必要です。運動不足が薄毛を進ませる詳しい原因は次をご覧下さい。
運動不足により筋ポンプ作用が弱まる
栄養と酸素は血液によって身体の隅々まで運ばれています。物体は重力によって上から下へと落ちるのが基本ですが、筋肉にある筋ポンプ作用によって下から上へと血液が流れていきます。
しかし運動不足が続いて筋力が弱まると、十分な筋ポンプ作用が発揮できません。髪の毛の成長に必要な栄養と酸素が不足し、薄毛に繋がっていくというメカニズムです。
運動不足により新陳代謝が弱まる
身体には新陳代謝と呼ばれる働きが備わっています。古い細胞から新しい細胞へと生まれ変わる事も新陳代謝の一つです。
しかし運動不足が続くと新陳代謝が弱まり、髪の毛を伸ばしている毛母細胞の働きも弱まる恐れがあります。新陳代謝の弱まった身体は血行不良により、冷えやすくなるために冬になると手足の末端が冷たくなる人は要注意です。
運動不足により肥満になる
運動不足の方に良く見られるのが肥満です。肥満もAGAの直接的な原因にはなりませんが、頭皮に分泌される皮脂が過剰になり、頭皮環境を悪化させる事があります。
皮脂が毛穴を詰まらせる、皮脂をエサにする雑菌が増えて頭皮に炎症を起こすなどが原因となり、薄毛に繋がっていくのです。内臓脂肪が多くなりすぎると血行不良が起きやすい点も把握しておきましょう。
同じ運動不足でも、薄毛になる人とならない人どう違う?
AGAになりやすい体質は母方の祖父から遺伝すると考えられています。遺伝だからといって必ずAGAになる訳ではありませんが、他の人より薄毛になる確率が高くなるでしょう。同じような年齢、同じような運動不足の人が居るけど薄毛じゃない…という事はありませんか?
運動不足でも薄毛ではない人は元々AGAの遺伝を受け継いでいない可能性があります。遺伝によって肥満になりやすい人、肥満になり難い人に分かれるのを知っていますか?AGA遺伝子、肥満遺伝子を受け継いでいない人はさらに薄毛になり難いです。
AGA(男性型脱毛症)の場合、薬で治療するのに運動が必要?
AGAの症状を治せるのがプロペシアやミノキシジルなどの薬です。プロペシアはAGAの原因となる男性ホルモンDHTを抑制する効果、ミノキシジルは発毛促進効果があります。特にミノキシジルは血行促進作用があるため、血行不良が原因になっている薄毛にも改善の期待値が大きいです。
血行促進してくれるミノキシジルなら運動は不要では?という疑問を持つ事でしょう。そこでAGA治療を行うクリニックで運動が必要なのか質問してみましたので、回答は次をご覧下さい。
ミノキシジル使用直後の運動には注意
「ミノキシジルの効果を上げるためにも適度な運動は必要です。」「しかしミノキシジルの血行促進作用によって血圧が下がると脳が血圧を保つように命令を出すため、心臓の鼓動が早くなりやすいです。」
「心臓の鼓動が早くなると、動悸や不整脈といった副作用が出やすくなります。」「飲むタイプのミノキシジル(内服薬)を使用した後、激しい運動を行うとミノキシジルの副作用により、動悸や不整脈が起きやすくなるために注意して下さい。」との事です。
その他にも「頭皮に塗るタイプのミノキシジル(外用薬)であればかゆみや発赤など頭皮に出る副作用が主となります。」「ただし外用薬でも頭皮から吸収されたミノキシジルが血中に入り、動悸や不整脈に繋がる恐れがあるため、何らかの異常を感じたらすぐに医師に相談して下さい。」とも言っていました。
適度な運動を行ったほうがミノキシジルとの相乗効果(血行促進)が期待できます。しかしミノキシジル使用直後の運動は控えたほうが良いでしょう。
有酸素運動がAGAの原因DHT(ジヒドロテストステロン)を減少させるって本当?
運動には有酸素運動(汗ばむほどの比較的長めの運動)、無酸素運動(瞬間的に行う筋肉トレーニング)と大まかに分けて2種類あります。このうちネットなどで有酸素運動を行うとAGAの原因となるDHTが減るといった記事を見かけませんか?
しかしストレスを伴わない低強度の運動を行うと海馬からのDHTが増えるというニュースが流れています。データ参照『筑波大など、低強度の運動が脳の「海馬」の神経新生を高める仕組みを解明』
DHTは元々精巣(睾丸)で分泌されるものですが、海馬からのDHTであっても増えればAGAの原因になりかねません。有酸素運動を行うと本当にDHTが減るのか分かり難いですよね?
健康のためにも有酸素運動を行おう
先ほどのAGAクリニックにて「有酸素運動を行うとAGAの原因、男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)を減少させるって本当でしょうか?」と質問してみました。「男性ホルモンのテストステロンは年齢とともに少しずつ減りますが、AGAの原因となるDHTは逆に増える事があります。」「適度な運動を行うとテストステロンが増えるため、DHTは逆に減る事があるのです。」
「特に有酸素運動はDHTを減らす効果が期待できます。」「ただし過度な運動を行うとストレスによって血管を収縮させる交感神経が優位になり、薄毛を招く血行不良が起こりやすいです。」「無酸素運動はストレスがかかりやすいため、ストレス発散ができる程度の有酸素運動を行うと良いです。」
「AGAは生活習慣の乱れなどで若年化している傾向があります。」「適度な運動やストレス解消の他、食生活や睡眠時間など生活環境の見直しも併せて行いましょう。」「生活環境の見直しと薄毛治療と並行して行ったほうが効果が出やすくなります。」との事です。
運動により海馬からのDHTが増えても、運動不足による悪影響のほうが大きい可能性があります。運動不足から肥満になり、肥満から生活習慣病に繋がると健康面にも大きな悪影響があるため、なるべく運動不足は解消したほうが良いでしょう。
薄毛予防に効果的な運動とは?
どんな有酸素運動が薄毛予防に効果的なのか、追加でAGAクリニックに質問してみました。「有酸素運動のうち、特に始めやすいのがウォーキングです。」「ウォーキングシューズさえあればすぐにでも有酸素運動が始められます。」
「通勤で電車を利用している場合、ひとつ前の駅で降りてウォーキングすると良いでしょう。」との事です。その他にもひざへの負担が少ないサイクリング、プールで歩く有酸素運動も薄毛対策に良いと言っていました。
まとめ
今回の記事では薄毛と運動不足には関連性があるのかどうか説明してきました。主なポイントだけまとめると以下のようになります。
運動不足は血行不良による薄毛に繋がりやすい
AGAの原因となるのが男性ホルモンのDHT
AGA治療を受ける時は適度な運動と並行して行うと効果が出やすい
ストレスを伴わない低強度の運動はDHTが増える可能性がある
適度な有酸素運動はテストステロンを増やすがDHTは減らす効果がある
日頃から運動を行わない人が急に行うとすぐに辛くなって止めてしまいがちです。運動によるダイエットで体重が落ちても、すぐに止めるとリバウンドしかねません。毎日有酸素運動を行う必要はありませんので、無理のないペースで継続したほうが良いでしょう。