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朝の枕の抜け毛、寝ぐせ直し、ブラッシングの抜け毛何本なら大丈夫?

たとえ若い方であっても、抜け毛に悩むことは決して珍しくありません。特に家族や親せきに薄毛の人がいる場合は、「自分もいつかは薄毛になるのでは?」と不安になってしまうものです。いちど不安に駆られてしまうと、些細な抜け毛でも心配になってしまいます。そこで今回は、抜け毛がよく起きる様々な場面について検証することで、抜け毛に関する不安を解消していきましょう。

朝起きた時の枕の抜け毛、何本だったら大丈夫?

     

1日当たり50~100本程度の抜け毛は正常

以前、薄毛に悩む知人の男性に対して、「薄毛になったと気づいたきっかけ」が何だったのか尋ねたことがあります。答えは、「朝起きた時の枕に付いている抜け毛の量が増え始めたこと」というものでした。このことから分かるように、起床時の枕に付く抜け毛の量が多いか少ないかは、比較的わかりやすい薄毛のサインだと言えます。

そのため若い方が、朝起きて枕に抜け毛が付いているのを見つけたら、「薄毛のサインでは?」と不安に思ってしまうのではないでしょうか。もっとも、抜け毛に対して神経質になりすぎる必要はありません。なぜなら健康な人でも、1日当たり50~100本程度の髪の毛が抜けると言われているからです。たとえば起床時に10本ほど髪の毛が抜けたところで、何も異常はありません。
参照「抜け毛の動態を指標とした育毛剤の評価法」

ある程度の抜け毛は髪の成長に不可欠な現象

抜け毛は、髪の毛が成長するうえで避けられない現象です。というのも、髪の毛は「成長期→退行期→休止期」を繰り返して生え替わっていきます。休止期に入った髪の毛は抜け落ち、そのあとから新しい髪の毛が生えてきます。この仕組みをヘアサイクルと呼びます。つまり、髪の毛の休止期は脱毛の時期であると同時に、新しい髪の毛が生えてくる時期でもあるのです。

朝の身だしなみ、ブラッシングの抜け毛、何本だったら大丈夫?

正常な抜け毛の多くはブラッシングや洗髪で起きる

先ほど「健康な人でも1日に50~100本程度の髪の毛が抜ける」と述べました。さらに付け加えるなら、抜け毛の量は季節によっても変動します。健康な人の抜け毛の量を12月、3月、6月、9月と調査したところ、9月の抜け毛の量がピークだったという報告があります。また正常な抜け毛が起こるタイミングは、ブラッシングや洗髪の時が多く、一日の抜け毛の7割位が抜けると言われています。
参照「抜け毛の動態を指標とした育毛剤の評価法」

したがって、ブラッシングや洗髪の際に数本程度の髪の毛が抜けたとしても、薄毛になることを心配する必要はありません。正常なヘアサイクルの範囲内の抜け毛にすぎません。50本~100本抜けるという数値から考えるとブラッシングやシャンプー時に70本位が抜けても問題ないという事になります。

また、お風呂に入らないまま寝て、翌朝に髪を洗ったという場合には、前日にお風呂で抜けるはずだった髪の毛も合わせて一気に抜けることになります。これも、元々抜けるはずであった髪の毛が残っていただけなので問題はありません。

前述の枕の抜け毛についても、ブラッシングや洗髪時の抜け毛についても同様なのですが、髪の毛の生えている本数は人によって違います。なので、抜け毛の本数も人によって違う為、あくまでも平均的な数値として計算されたものです。

朝の寝癖直し、髪は濡らさない方がいい?

乾かさないことが問題

髪質によっては、寝癖が強く付いてしまう人もいます。強く付いた寝癖は、ブラッシングやドライヤーだけではなかなか元に戻りません。強い寝癖を直すために、仕方なく髪の毛全体を濡らすこともあるでしょう。このようにして頭全体を濡らすことは、薄毛の原因となるのでしょうか?

結論から言うと、朝に頭を濡らしたからといって、それ自体が薄毛の原因となるわけではありません。ただし、濡らした頭をしっかり乾かすようにしてください。忙しい朝に急いでいるからといって、生乾きのままにすると薄毛の原因になります。というのも、濡らした頭を生乾きのまま放置すると、頭皮に雑菌が繁殖します。雑菌の繁殖により頭皮環境が悪化し、薄毛の原因となるのです。

頭皮環境が悪化すると髪に栄養が届かない

頭皮の雑菌が繁殖すると、なぜ薄毛の原因となるのでしょうか?それは、頭皮の常在菌のバランスが崩れてしまうからです。健康な頭皮には適度な数の善玉菌が存在していて、皮脂の酸化を防ぐなど頭皮環境を良好に保つ役割を果たしています。しかし雑菌が繁殖すると、善玉菌の活動が抑制されて頭皮環境が悪化してしまうのです。

頭皮環境が悪化すると炎症が起こり、頭皮を巡る毛細血管の働きが弱まります。頭皮の毛細血管は、髪の毛が成長するのに必要な栄養分を供給する機能を持っています。しかし毛細血管の働きが弱まると、髪の毛に十分な栄養が供給されなくなってしまいます。そのため髪の毛の成長が阻害され、薄毛の原因になるのです。

朝シャンすると抜け毛は増える?

          

朝と夜のどちらもシャンプーをするのは洗いすぎ

朝にシャンプーをすることは、薄毛の原因となるのでしょうか?この点については、前日の夜にシャンプーをしたかどうかで分けて考える必要があります。まずは、前日の夜にシャンプーをしたうえで、起床後にも朝シャンをする場合について考えてみましょう。この場合、シャンプーをする回数は1日に2回です。そのため、頭皮の皮脂を洗いすぎてしまうことになります。

先ほども説明したように、頭皮には適度な数の善玉菌が存在しています。頭皮に住む善玉菌にとって、適量の皮脂は大事な栄養分です。適量の皮脂が頭皮を守るバリアとなって、善玉菌が頭皮環境を良好に保つ助けをしてくれるのです。にもかかわらず、1日に2度もシャンプーをして頭皮から皮脂を洗い落としすぎると、頭皮バリアが適切に機能しなくなってしまいます。

つまり、朝シャンをすることで頭皮バリアが壊れてしまい、頭皮環境が悪化する原因となってしまいます。頭皮環境が悪化すると、毛細血管の働きが弱まるため髪の毛に栄養が十分に供給されず、薄毛の原因となってしまうのです。

シャンプーをするなら朝よりも夜

では、前日に髪を洗わなかった場合の朝シャンについてはどうでしょうか。この場合、1日にシャンプーをする回数は1回にとどまっています。しかしシャンプーをする時間帯が、夜ではなく朝になっている点に注意が必要です。髪を洗わないまま寝ている点が、髪にとって良くありません。

というのも「髪の毛の成長タイム」は睡眠中です。なぜなら、髪の毛の成長には成長ホルモンの分泌が必要ですが、成長ホルモンが分泌されるのは睡眠中だからです。髪を洗わないまま寝てしまうと、頭皮や毛穴が汚れたまま「髪の毛の成長タイム」を迎えてしまいます。そのため、髪の毛が十分に成長できないのです。

なお朝シャンについても当然ながら、生乾きのままにしてはいけません。朝は忙しくて時間がないことも多いですが、髪をしっかり乾かす時間だけは確保するようにしてください。

抜け毛が気になる朝のドライヤーはした方がいい?しない方がいい?

頭皮に優しいドライヤーの使い方

朝起きてから髪型をセットしようというとき、ドライヤーを使うことも多いはずです。ただ、ドライヤーの熱風を頭皮に当てることは、頭皮環境を悪化させる原因にはならないのでしょうか?

そこで、この点についてクリニックの無料相談で質問をしてみました。すると、次のような返答がありました。
・ドライヤーの使い過ぎは、頭皮の乾燥につながる
・頭皮が乾燥すると、頭皮が荒れて髪に栄養が届きにくくなる
・そのため、頭皮を乾燥させないドライヤーの使い方をすると良い
・具体的には、次のような点に注意してドライヤーを使えば頭皮の乾燥を防ぐことができる
 ①ドライヤーを頭皮から15cm以上離して使うこと
 ②熱風が1か所に集中しないようドライヤーを常に動かしながら使うこと

結論としては、頭皮が乾燥しないような使い方をすれば、ドライヤーが抜け毛の原因となることはないとのことでした。

朝の抜け毛を減らす方法

抜け毛が起きても毛根は死なない

髪の生乾きや朝シャンなどによって頭皮環境が乱れると、抜け毛が増える恐れがあります。ただし、たとえ抜け毛が増えたとしても、毛根はその機能を停止するわけではありません。髪に再び栄養が届くようになれば、新たに髪の毛が成長するようになります。そこで、ここからは頭皮環境を改善する方法について見ていきましょう。

正しい頭皮マッサージのやり方

髪を洗った後に生乾きのまま放置したり、シャンプーのし過ぎで皮脂を落としすぎたりすると、頭皮の常在菌のバランスが崩れてしまいます。常在菌のバランスが崩れた頭皮では、血行不良が起こり髪に栄養が届かなくなります。したがって、頭皮環境の改善のためには、頭皮マッサージによって頭皮の血行を改善することが効果的です。

頭皮マッサージをする際には、力任せに頭皮を押さえつけないように注意しましょう。頭皮を傷つけて、逆効果になってしまうからです。頭皮を押さえつけるのではなく、頭皮を持ち上げるようにしましょう。具体的には、手のひら全体を使って耳の上あたりを押し上げます。すると、頭皮全体がグッと持ち上がります。このマッサージをお風呂で繰り返し行うことで、頭皮の血行の改善が期待できます。

まとめ

 
それでは最後に、今回ご紹介した内容をまとめます。
・1日当たり50~100本程度の髪の毛が抜けるのは正常
・寝癖直しや朝シャンで濡れた頭を生乾きのままにすると、頭皮に雑菌が繁殖して抜け毛の原因となる
・夜にシャンプーをするのが髪のために良い
・ドライヤーは頭皮から15cm離して、動かしながら使う
・抜け毛予防の頭皮マッサージは、耳の上から頭皮全体を持ち上げて行う

日ごろ何気なく行っているシャンプーやドライヤーも、間違ったやり方だと抜け毛や薄毛の原因になってしまいます。知らないうちに間違ったやり方をしている可能性もあるので、一度ご自身のやり方をチェックしてみる事が大切だと思います。