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【女性の抜け毛の原因】社会進出やストレスで男性ホルモンが優位に?

現代社会ではライフスタイルの多様化により、働き方に男女差がなくなってきました。会社で責任ある地位につき、毎日忙しく仕事に取り組んでいる女性が大勢います。その反面、ストレスにさらされて心身の不調に悩む女性も少なくありません。ホルモンバランスの乱れから、抜け毛に悩む女性もいます。そこで今回は、女性の抜け毛と男性ホルモンの関係を中心に詳しく見ていきましょう。

抜け毛の原因?女性にとって男性ホルモンの働きとは

  

男性ホルモンは女性にも分泌される

「男性ホルモン」と聞くと、男性にしか分泌されない物質のようにも思えます。しかし実際には、女性の体内でも男性ホルモンが分泌されています。男性ホルモンには、体毛や筋肉を成長させる働きがあります。体毛や筋肉はもちろん女性の体にも必要なものですから、女性の体内でも男性ホルモンが分泌されるのです。

一方で「男性ホルモン」という名前からも分かるように、男性ホルモンは女性よりも男性の体内で多量に分泌されます。つまり女性の体内で分泌される男性ホルモンの量は、「男性に比べると相対的に少ない」というのが正確な表現です。言い換えるなら、女性は男性ホルモンの影響を「男性に比べて」受けにくいですが、影響をまったく受けないわけではないのです。

男性ホルモンによる抜け毛は女性も無縁ではない

このことは、男性ホルモンが原因で起こる抜け毛についても、例外ではありません。男性ホルモンによって引き起こされる抜け毛は、「男性型脱毛症(AGA)」と呼ばれます。男性ホルモンの一種であるテストステロンの作用によって、頭頂部や前頭部のヘアサイクルが停滞します。その結果、前頭部や頭頂部の髪の毛が薄くなってしまうのです。

男性型脱毛症の見分け方

男性ホルモンが原因なので、女性には起こりにくい脱毛症です。ただし、女性が男性ホルモンの影響をまったく受けないわけではない以上、女性に男性型脱毛症が起こる可能性もあるのです。では、女性の抜け毛が「男性型脱毛症」なのかどうかを見分けるには、どうすればよいのでしょうか?そこで、男性型脱毛症の特徴について見ていきましょう。

注目すべきは、髪の毛が薄くなる部位です。男性型脱毛症は、前頭部や頭頂部に起こるからです。その理由は「アンドロゲン受容体」という器官が、前頭部や頭頂部に集中していることにあります。というのも男性ホルモンの一種テストステロンは、そのままでは抜け毛の原因となりません。しかし、前頭部や頭頂部にあるアンドロゲン受容体と結びつくことで、抜け毛を引き起こすようになるのです。

したがって、髪が薄くなっている部位が前頭部や頭頂部に限られているのなら、男性ホルモンの影響による男性型脱毛症が疑われます。逆に髪が全体的に薄くなっている場合は、男性型脱毛症の可能性は低くなります。

抜け毛を予防?女性ホルモンの働きとは

        

ホルモンと髪・体毛

先ほど見たように、男性ホルモンには体毛を濃くする働きがあります。しかし女性の体内では、男性ホルモンよりも女性ホルモンの方が多く分泌されるので、男性ホルモンの影響は少なくとどまります。女性の体毛が男性に比べて薄いのは、その証拠です。

一方で、髪を美しく育てるのは女性ホルモンです。女性ホルモンのプロゲステロン・エストロゲンが、女性の美しい髪を育てる役割を果たします。男性に比べて女性の髪が長く美しく育つのは、女性ホルモンのおかげなのです。

女性ホルモンの減少と抜け毛

ただし、女性ホルモンの分泌量は一般的に、40代から減少を始めます。女性ホルモンが減ると、そのぶん男性ホルモンの影響が強まります。髪の毛について言うと、女性ホルモンの減少によって髪が十分に育たなくなる一方、男性ホルモンの影響が強まるせいでAGA発症の可能性が高まります。実際に40代以降の女性は、AGAと同様に頭頂部・前頭部の髪が薄くなることがあるという報告があります。
参考:「女性頭髪の加齢変化」

さらに、女性ホルモンが減少すること自体、抜け毛の原因となります。女性ホルモンの髪を育てる働きが弱まってしまうからです。女性ホルモンの減少が主な原因となって起こる抜け毛のことを、「びまん性脱毛症」と呼びます。こちらはAGAと異なり、頭部全体の髪の毛が薄くなるのが特徴です。

男性ホルモン優位と抜け毛

なお、女性ホルモンよりも男性ホルモンが活発に分泌されることを、「男性ホルモン優位」と呼びます。男性ホルモン優位になることの影響は、髪の毛が薄くなることだけではありません。体毛を濃くする男性ホルモンの働きが強まることで、ムダ毛が増えてしまう場合もあるのです。ムダ毛が増える場所としては、あごや胸など、男性が毛深くなりやすい部位が挙げられます。

したがって、頭髪が薄くなっているにもかかわらず、頭髪以外のムダ毛は増えているという場合は、男性ホルモン優位による抜け毛の可能性が高いと言えます。頭頂部・前頭部以外にも薄毛が起こっていて、一見AGAではないように思える場合でも、 男性ホルモン優位な状況下でAGAとびまん性脱毛症が併発している恐れがあります。

男性ホルモン優位な状況が抜け毛を増やす?

      

男性ホルモン優位になる理由

ここまで見てきたように、男性ホルモン優位な状況が抜け毛の原因となるのは確かな事実です。女性ホルモンの減少は「びまん性脱毛症」の原因となり、男性ホルモンの増加は「男性型脱毛症(AGA)」の原因となるからです。それでは、男性ホルモン優位な状況を引き起こす要因は何なのでしょうか?この点について、レディースクリニックの電話相談を利用して質問してみました。

「女性ホルモンが減少してしまうのはなぜですか?」
「いちばんの理由は、加齢です。出産適齢期をピークに、閉経へ向けて女性ホルモンが減っていくのは自然な現象です。ただし、 若くても生活習慣の乱れによって、女性ホルモンが減ってしまうことがあります。女性ホルモンは体全体を巡るものですから、生活習慣が乱れると分泌バランスが狂ってしまうのです」
「生活習慣の乱れとは、具体的にどのようなことですか?」
食事・運動・睡眠です。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を習慣づけることが必要です。心の健康にも十分注意してください

現代の女性が気を付けるべきこと

また、現代の女性が特に意識すべきこととして、次のことも教えてもらいました。
「昔の女性は妊娠を何度もしていました。一方、現代の女性は妊娠の回数が少なく、そのぶん月経の回数が増えています。そのため月経前後のホルモンバランスが乱れやすく、生活習慣には特に注意しておく必要があるのです」

近年は女性の社会進出が進み、日ごろからストレスにさらされながら働いている方も大勢いらっしゃることでしょう。だからこそ、現代社会は女性のホルモンバランスが乱れやすい環境だということを意識したうえで、ご自身の心身をいたわりながら毎日を過ごすようにしてください。

抜け毛予防!男性ホルモンをコントロールする方法

 
男性ホルモンが優位になると抜け毛が増える状況については上記でご説明したとおりです。では、男性ホルモンが優位にならない状況とはどうすればいいのでしょうか?答えから言うと男性ホルモンと女性ホルモンが上手くバランスを取っている状況を作るという事です。

男性ホルモンは交感神経が支配しており、女性ホルモンは副交感神経が支配しています。この交感神経と副交感神経が上手くバランスを取る様に調節しているのが自律神経です。自律神経失調症とはこのバランスが崩れた事により起こります。バランスが崩れる原因は様々ですが、代表的なのが過度なストレス、長時間の緊張状態、睡眠不足など生活習慣の乱れ です。
 

生活習慣を整えよう

男性ホルモン優位にならないためには、日常生活の中で具体的にどのような対処法があるのでしょうか?この点について引き続き質問したところ、次のポイントをあげてもらいました。

・間食をしない、食事間隔をあける(女性ホルモン分泌は満腹よりも空腹の方が盛んになる
・寝る前の2時間は食べないようにする(良質な睡眠を得る事で女性ホルモン分泌が盛んになる
・1日の中でリラックスタイムを確保する(ストレスは女性ホルモンの分泌を妨げる
・お風呂にゆっくり浸かる(緊張がほぐれ血行が良くなると女性ホルモン分泌が盛んになる
・ウォーキングやジョギングを習慣づける(有酸素運動も女性ホルモン分泌を促進する
・軽い筋トレを習慣づける(骨盤が安定し子宮・卵巣への負担が減る

これらに注意して生活する事で、ホルモンバランスを整える事が出来るかも知れませんので、自分にできる事から改善してみて下さい。

ピルを処方してもらおう

生活習慣を整えるだけでなく、病院でピルを処方してもらう方法もあるとのことです。次のように教えてもらうことができました。
「ピルというと避妊薬のイメージがありますが、実は女性ホルモンの変動を和らげる効果もあります。ピルには女性ホルモンの一種であるエストロゲンが含まれているからです。ピルはエストロゲンの含有量によって、高用量・中用量・低用量に分類されます。中でも低用量ピルは副作用もほとんどなく、安心して服用できます。症状が重めの人には、ソフィアaなどの中用量ピルが処方されることがあります」

悩んだら迷わず病院へ

このようにして女性ホルモンのバランスを整えることによって、男性ホルモン優位による抜け毛を防ぐことができます。少しでも抜け毛に悩んでいるのであれば、生活習慣を見直すとともに、レディースクリニックを訪ねて相談してみましょう。

まとめ

 
それでは最後に、今回ご紹介した内容をまとめます。
・男性ホルモンは、女性にも分泌される。
・男性ホルモン優位になると、女性ホルモンの減少は「びまん性脱毛症」の原因に、男性ホルモンの増加は「男性型脱毛症(AGA)」の原因となることがある。
・男性ホルモン優位にならないためには、食事・運動・睡眠の生活習慣を整えることが必要。
・生活習慣を整える以外にも、病院でピルを処方してもらう方法がある。

現代を生きる女性は、ホルモンバランスが乱れやすい環境で生活を送っていると思います。ホルモンバランスの乱れは抜け毛の原因となるばかりでなく、実に様々な体の不調を引き起こしかねません。体が発するSOSを感じ取ったら、すぐに病院を受診するようにしてください。