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思春期の髪が抜ける原因(ヘアケア編)

思春期を迎えると、心身の成長に応じて様々な変化が起こります。髪の毛について言うと、幼いころには柔らかかった髪の毛が、大人のようなしっかりした髪質へと変化していきます。そんな中で、人によっては抜け毛が増える場合もあります。今回は、思春期に抜け毛が増える原因について見ていきましょう。

10代思春期の特徴と抜け毛が増える原因

思春期には新陳代謝が活発になる

 
10代の思春期には、成長ホルモンの分泌量が増加します。成長ホルモンとは、身体の発育や代謝をつかさどる物質のことです。思春期に成長ホルモンの分泌レベルが高くなることで、子どもの身体から大人の身体へ発達できるのです。また、成長ホルモンの分泌量が増えることによって、新陳代謝が活発になるというのも思春期の特徴です。
参照:「成長ホルモン研究をめぐる動向」

髪も新陳代謝を繰り返す

こうした成長ホルモンの働きは、髪の毛にも大きな影響を及ぼします。このことを理解するために、髪の毛が成長する仕組みについて簡単に見ておきましょう。

1本の髪の毛は、1か月に約1cmのペースで数年間成長し続けます(成長期)。成長期が終わると、数か月のうちに抜け落ちます(退行期・休止期)。抜け落ちた髪の毛が生えていた毛穴からは、再び新たな髪の毛が生えてきます。 この仕組みのことを「ヘアサイクル」と呼びます。1日あたり50~100本ほどの髪の毛が抜けるのは、正常なヘアサイクルの範囲で起こる生理現象です。
参照:「頭髪化粧品と毛髪」

つまり髪の毛の成長には、ヘアサイクルという新陳代謝が欠かせません。そして成長ホルモンの分泌が増加する思春期には、ヘアサイクルも活発化します。抜け毛の本数が一時的に増えたとしても、そのこと自体は健康な新陳代謝の結果と考えられます。神経質になりすぎる必要はありません。

抜け毛が増える原因(ヘアダメージ)

 

ヘアダメージには要注意

思春期に抜け毛の本数が多少増えたとしても、健康な生理現象のうちに入るのでそれほど気にしなくても構いません。ただ、 抜けた髪の毛が細くなっているような場合には、髪の毛がダメージを受けている疑いがあります。ヘアダメージによって髪の毛の成長が阻害されると、抜け毛の原因となってしまいます。

熱によるヘアダメージ

特に思春期はおしゃれに目覚める時期でもあるので、知らず知らずのうちに髪の毛に負担をかけていることがあります。たとえばくせ毛に悩んでいる人が、毎日ヘアアイロンを使っているとしましょう。多くのヘアアイロンは、最高温度が170℃に設定されています。しかし、 髪の毛の主成分であるタンパク質は、80℃以上の熱処理で強度が低下し始め、100℃以上ではさらに大きく強度が低下します。強度が低下した髪の毛は、水分を保持する機能も低下します。
参照:「頭髪化粧品と毛髪」

したがって、ヘアアイロンの高熱によって生じるヘアダメージは、非常に大きいことが分かります。ヘアアイロンの使い過ぎでダメージを受けた髪の毛は、やせ細って抜けやすくなってしまいます。そこでヘアアイロンを髪の毛に当てる時間は、できる限り短くする必要があります。ヘアアイロンを使う頻度も、毎日ではなく間隔をあけるようにしましょう。

抜け毛が増える原因(思春期のシャンプー剤)

皮脂の洗いすぎは抜け毛につながる

思春期には新陳代謝が活発になるので、頭皮に分泌される皮脂の量も増加する傾向にあります。すると必要以上に頭皮の汚れが気になってしまい、シャンプーを過剰にしてしまいがちです。しかしシャンプーをしすぎると、かえって頭皮の環境を悪化させてしまいます。なぜなら、 頭皮の皮脂を洗い落としすぎると、頭皮の環境を維持するために必要な善玉菌の数まで減らすことになるからです。

頭皮の皮脂は、適切な量ならば「頭皮のバリア」としての役割を果たします。 頭皮のバリアが壊れると善玉菌の数が減り、頭皮が荒れてしまいます。すると髪の毛に栄養が行き渡らなくなり、結果として抜け毛が増えてしまいます。したがって、頭皮の皮脂を洗い落としすぎないために、頭皮に優しいシャンプーを選ぶことが大切です。

思春期の人に向いたシャンプーの選び方

たとえば「ヘアダメージを補修する成分」を売りにしているシャンプーは、一見すると髪に良さそうです。しかし、その中に合成界面活性剤が含まれているなら注意が必要です。 合成界面活性剤の洗浄力は非常に強いので、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまう恐れがあるからです。

合成界面活性剤を含むシャンプーの目印となる成分は、次の4つです。ぜひシャンプーの成分表をチェックしてみてください。
・ラウレス硫酸ナトリウム
・ラウレス硫酸アンモニウム
・ラウリル硫酸ナトリウム
・ラウリル硫酸アンモニウム

新陳代謝が活発な思春期の人には、石鹸シャンプーが向いています。合成界面活性剤を含まない一方で、毎日活発に分泌される余分な頭皮の皮脂をしっかり落とす洗浄力も併せ持っているからです。石鹸シャンプーの目印となる成分は、次の2つです。こちらもシャンプーの成分表をチェックしましょう。
・脂肪酸ナトリウム
・脂肪酸カリウム

抜け毛が増える原因(思春期の髪の洗い方)

 

抜けた髪が細くなっている場合は要注意

    
健康な人でも1日当たり50~100本ほどの髪の毛が抜けるということは、先ほど説明しました。この正常な抜け毛の大半は、髪を洗うタイミングで起こります。したがって、髪を洗うときに髪の毛が抜けても、それほど神経質になる必要はありません。特に新陳代謝が活発になっている思春期の人は、正常な抜け毛の数も多くなりがちです。

ただし、抜けた髪の毛が細くなっている場合は注意しなければなりません。頭皮の環境が悪化して、髪の毛に栄養が行き渡っていない可能性があります。髪の洗い方を見直して、頭皮の環境を改善する必要があります。

ゴシゴシ洗うのは逆効果

新陳代謝が活発な思春期の人は、頭皮の皮脂を気にするあまり、ゴシゴシとこすりながら髪を洗いがちです。しかし力を入れて髪を洗うと、頭皮が傷ついて荒れてしまう原因となります。荒れた頭皮は毛細血管の働きが弱まり、髪の毛に栄養が届きにくくなります。

そこで、次のようなやり方で髪を洗うようにしてみてください。
・シャンプーをする前に、しっかりと湯洗いをする
・シャンプーは髪につける前に、手のひらで泡立てる
・力を入れずにやさしくシャンプーをする
・シャンプーをした後は、すすぎ残しのないように洗い流す

抜け毛が増える原因(ブローとヘアケア法)

      

髪の土台をしっかり作ろう

思春期の人に適したヘアケアとは、どのようなやり方で行えばよいのでしょうか。そこで日本毛髪科学協会の電話相談を利用して、この点について質問してみました。すると、「髪の毛や頭皮がまだ成長過程にある思春期の人にとっては、細かいシャンプーやブローのやり方以上に、からだ全体の健康な成長を考えるべきです」との答えが返ってきました。

続けて、思春期の人に注意してほしいこととして、以下の項目を挙げてもらいました。
・ブローの際は、成長過程にある頭皮を乾燥させないために、ドライヤーを10cm以上離して使うこと
・栄養バランスが崩れると髪の成長が止まってしまうので、無理なダイエットをしないこと
規則正しく十分な睡眠をとること

お店に並ぶシャンプーやトリートメントのパッケージには、「髪のキューティクルを美しくする」「傷んだ髪を元に戻す」といった言葉が並んでいます。思春期の人にとっては、こうした売り文句がとても魅力的に映るのではないでしょうか。しかし、こうした売り文句を過信するよりも、毎日の食事や睡眠に気を付けるほうが、結果的には髪の健やかな成長につながるのです。

まとめ

 
それでは最後に、今回ご紹介した内容をまとめます。
・思春期には、成長ホルモンの分泌が増えるので、新陳代謝が活発になる
・髪の毛も新陳代謝を繰り返して成長するため、思春期に抜け毛が増えることがある
・髪の毛は熱によるダメージを受けやすいので、ドライヤーやヘアアイロンは慎重に使おう
・合成界面活性剤を含むシャンプーを使うのは避けよう
・髪を洗う際には力を入れすぎないようにしよう
・思春期の人は、まずは毎日の食事や睡眠をしっかりとろう

思春期には様々な悩みがつきものです。心身ともに成長していく中で、些細なことが大きな悩みの種になることも多いでしょう。抜け毛についても同じだと思います。抜け毛を心配しすぎて毎日の生活をおろそかにすると、かえって抜け毛が増えてしまいます。そうならないように気を付けましょう。